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畠山直哉「光のマケット」|タカ・イシイギャラリー

都市の灯りを写真に撮った。プリントを眺めていたら何かが足りなく思えた。そこで写真をライトボックスに載せてみた。裏から照らされて、全体がぼんやりグレーに光った。「違う」と思った。そこで同じ写真を透明のフィルムに焼き、それをプリントの裏にあてがってみた。すると灯りの部分だけが光るようになった。当然だ。だがこの当然さは生まれて初めて目にするものだった。写真の特徴である変換や比喩が無化された、現実のたんなるトートロジー。この小さくなった灯りを「模型(マケット)」以外の言葉で呼ぶことはできないと思った。
畠山直哉

引用元: 畠山直哉「光のマケット」|タカ・イシイギャラリー.