人間の目はちっぽけなものだが、人間より大きな象でも富士山でもお月様でも見ることができる。なのに目よりもずっと小さい世界を見ようと思ったら、人間の何倍もの大きさの装置を使って、目にも見えない速さのエネルギーを生み出さなければならない。これは何と、美しい矛盾だろうか。
本文中の「微小な世界を映し出す巨大な目/古宮 聰(こみや さとし)」から引用
1章 渡部潤一と国立天文台にて―宇宙を知ることは自分を知ること
2章 堀秀道と鉱物科学研究所にて―鉱物は大地の芸術家
3章 村上和雄と山の上のホテルにて―命の源“サムシング・グレート”
4章 古宮聰とスプリングエイトにて―微小な世界を映し出す巨大な目
5章 竹内郁夫と竹内邸にて―人間味あふれる愛すべき生物、粘菌
6章 遠藤秀紀と国立科学博物館分館にて―平等に生命をいとおしむ学問“遺体科学”
7章 続木敏之と甲子園球場にて―肉体と感覚、この矛盾に挑む